名刺サイズキーボードを作った

Business Card Keyboard

meishi展1に行ってからずっと作りたいなと思っていた名刺サイズ(91mm×55mm)のキーボードを作りました。

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Feature

ATmega32U4の基板実装

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今回やりたかったことのメイントピックは脱ProMicroでした。回路図は公開されているので問題なかったですが、部品は何を使えばよいのかよくわからない感じです。今回は「適当に集める→動いた」で良かったですが、HomeReflowKit – スイッチサイエンスを改めてよく見たら部品表が載っていたので、これを集めればよかったのかもしれません(というか、このHomeReflowKitが欲しい)。個別に部品を買うと50個、100個単位でしか買えなかったりするので、部品が大量に余ってしまいました。

USB-C化

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やりたかったことの2つ目はUSB-C化でした。使った部品は以下です。

このパーツの素晴らしいところはピッチ変換基板があり、しかもそのEagleファイルがGithubに公開されている2ところです。

EagleファイルをKiCadに変換するだけでフットプリントの用意ができました。そして、「これは手ハンダは無理だ」となり、自宅リフローを決意しました。

ALL PCBでステンシルの発注

PCBとステンシルをALL PCBで発注しました。ステンシルが$20.00、PCBが$5.00、送料は$27.00で合計$52.00でした。「ステンシル高ぇ、送料高ぇ」と思っていたら届いたものが思いの外大きく、そりゃこれくらいしますね、という感じでした。

自宅ホットプレートリフロー

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ハンダ盛りすぎ

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チップマウンター(手)

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「このホットプレートじゃ60%キーボードの基板とか入らないじゃん」と後になって思いました

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「早く冷まさなくては」とビビっていたんですが、ATmega32U4がハンダ不良起こしていたり、基板の隅のパーツがついていなかったりしたのでもっとじっくりリフローするべきでした。

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手ハンダとはまた違う出来栄え

SK6812MINI (LED) 対応PCBの作成

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せっかくなのでLEDも付けました。フットプリントはHelixを参考にさせていただきました。シンボルはKiCadに入っていたものを使ったため、シンボルとフットプリントの端子番号が整合せず、間違って配線してしまったので、PCBを再発注しました。横着せずにシンボルも自分で作ったほうが安全ですね。最初に発注した基板はSK6812MINIがぴったりハマっていい感じだったのですが、再発注した基板は若干緩い感じで製造誤差を実感しました。

Kailh Choc用スイッチソケットを用いたスイッチのホットスワップ

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今回はKailhのChocスイッチを使いたかったのでCPG135001S30を使いました。フットプリント作るのめんどくさいなと思っていたところ、foostan/kbd: Publish data for Keyboardで公開されていることを知りました。速攻でスター付けて利用させていただきました。ありがとうございます。

PCBのシルクにイラストの挿入

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線とビアは重ならないようにしたほうが良さそうです。

失敗したこと

スレーブ側でhas_usbが1になってしまった

今回、参考にした回路図3にはVBUSのラインにダイオードが付いていませんでした。

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なので、マスター側のVCCをTRRSケーブルを通じてスレーブ側のVCCにつなげると、スレーブ側のUVCCもHIGHになり、スレーブ側でもhas_usbが1になってしまいました。

Pro micro スイッチサイエンス版の回路図にはしっかりダイオードが入っているので、こちらを参考にするのが良さそうだなと思います。